こんにちは。すのうです。
今回のテーマは、
「おすすめの本」
について。
恥ずかしながら、私、二十歳を超えるまで、
小説と言うものをまったく読んだことがありませんでした。
二十歳までに読んだ本は、覚えている限りで、
・ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」
・川端康成の「伊豆の踊子」
の2冊です。
『映画が好きだったから原作を読んだ』とか、
『中学校の朝の読書週間で仕方なく』
なんて理由ですが、
それでも人に比べて極端に少ない方だと思います。
こんな私ですが、本好きな友人に影響され、
最近やっと本を読むようになりました。
どのくらいかと言いますと、このくらいです。
数にすると年間100冊程度ですが、
今回は、その中でも、
とくに私の心に残った作品をご紹介したいと思います。
〇森見登美彦 :「きつねのはなし」
「簡単なことだよ。きみの下宿は石油ストーブかい?」
「いいえ。電気ヒーターです」
「それが私は欲しい」
お客さんに渡すはずだった皿を割ってしまった武藤は、天城から何か代わりになるものを見つけるように依頼した。
芳蓮堂の主人であるナツメからは、お礼は後日お持ちする、だからもし何か要求されても決して渡す約束をしないように釘をさされていた。にも関わらず武藤はヒーターを渡してしまい――
森見登美彦さんって、
代表的な作品に『四畳半神話大系』と言うものがありますが、
どちらかと言うと、コメディっぽいような文体で、
ほんわかとした柔らかい気持ちにさせてくれる作品が多いんですよね。
しかし、この作品は違います。
人を楽しませる才能を持っている人は、
同時に、人を恐怖に陥れる才能も持っている、
と言うことを知りました。
こういった作品は、『きつねのはなし』以外にも、
『宵山万華鏡』と言う作品がありますが、
私は、こちらの作品をおすすめします。
電車の中でこの作品を読み始め、降りるはずの駅に到着しても、
そのまま降りずに読み続けたかった作品。
〇奥田英朗 :「イン・ザ・プール」
地下にある薄暗い精神科に来る患者は、一風変わった精神科医に翻弄されるも、
的確なアドバイスと、大胆な行動で、次第に改善されていく。
知る人ぞ知る伊良部先生シリーズ。
奥田さんは、人間の深層心理を描くのがとても上手い。
特に、この伊良部先生シリーズは、読む人の心を必ずつかんで、
きっとこの作品を読み終える頃には、
あなたは、伊良部先生シリーズすべてを読みたいと思うことでしょう。
シリーズは他にも、
・『空中ブランコ』
・『町長選挙』
があります。
映画化やアニメ化もされていますが、
私は原作をおすすめします。
本当の天才って、こういう人なんじゃないかな、
と思わせてくれる作品です。
〇辻村深月 :「スロウハイツの神様」
大人気漫画家であるチヨダ・コーキを筆頭として、
脚本家の赤羽環、映画監督や、画家の卵らが織りなす関係性を描いた物語。
ほんわかとした部分もあれば、心が痛くなるほど苦しくなる場面もある。
一見ありそうで、なさそうな、そんな日常。
辻村深月さんの作品を読むようになったキッカケの作品です。
この方の作品は、映画化されることが多くなってきましたね。
『ツナグ』や『太陽の坐る場所』なんかが映画化されています。
他の作品とストーリーがつながっている部分が多く、
作品を読むたびに嬉しい発見がある作家さんです。
基本的にはミステリーホラーが中心ですが、
この『スロウハイツの神様』はどこか心にくるものがあります。
そうですね。
ドラえもんが好きな人は、きっと好きになる作品です。
〇三浦しをん :「舟を編む」
普段、日常生活の中でまったくと言って良いほど意識されていない辞書づくりの現場。
どんな人たちが、どう作っているのだろうか。
辞書作りには膨大な時間が必要で、果てしない作業だけれども、
そこに情熱を感じ、働く様を描いた物語。
この方の作品はまったく読んだことがなかったのですが、
なぜか魅かれた作品です。
映画化された時、近くの映画館では上映されないことを知り、
わざわざ岐阜の小さな映画館まで見に行きました。
辞書が作りたくなる――
そう思わせてくれる作品です。
まあ、作らないんですけどね。
でも、必ず辞書に興味が湧きます。
さて、この中に気になる作品はありましたか?
少しでも気になったのであれば、書店に行き、
ぜひ手に取って頂きたいです。
以上、「おすすめの本」でした。